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外壁塗装・屋根塗装お役立ちコラム
「塗装が必要な外壁材」「塗装の必要がない外壁材」
2022年11月20日(日)
プロタイムズ静岡葵店 株式会社あおば工房の服部です。
今回は、定期的な塗装が必要な外壁材・塗装の必要がない外壁材についてご紹介いたします。
日本の住宅の外壁は、その70%~80%に窯業系サイディングが使用されています。窯業系サイディングは塗装によるメンテナンスが必要な外壁材ですから、日本の住宅の外壁の大半は、定期的な塗装によるメンテンナンスが必要な外壁材だといえます。
タイルやレンガなどは、塗装の必要のない(塗装ができない)外壁材です。このような外壁材が使用されている場合でも、できるだけ外壁材や建物の劣化の進行を防ぐためには、何らかのメンテナンスを行う必要があります。
適切なメンテナンスは、外壁だけでなく建物自体の老朽化を遅らせることができ、資産価値を維持することにもつながります。
■定期的に塗装をする必要がある外壁材
<窯業系サイディング>
日本の住宅で最も多く使用されています。
主な原料は、セメント質と繊維質、板状に形成した素材のサイディングボードです。
工場で一定の規格に加工されたボードを現場で組み立てるため、施工性がよくコストパフォーマンスに優れています。デザインが豊富で、耐火性が高く、外部からの衝撃にも強い外壁材です。
ボード自体には防水機能がないため、雨・雪・湿気などで劣化しやすい素材といえます。
経年変化、紫外線劣化により、褪色(チョーキング)、反り、藻やカビの発生、塗膜のひび割れ、膨れ、シーリングの割れ・剥れなどの症状が現れます。
※窯業系サイディングについては2022年2月14日のブログ『特殊な下塗り材を必要とする「窯業系サイディング」』もご覧ください。
<金属サイディング>
スチールやアルミニウムなどの金属でできたサイディングボードで、近年、シェアを伸ばしています。
デザイン性・耐久性・断熱性・防火性に優れる、(軽量のため)建物への負担が少ない外壁材です。
断熱材一体型の金属サイディングは、他の外壁材と比べて断熱効果に優れています。
カバー工法によるリフォームでは、断熱材に加え、空気層による断熱効果を得ることもできます。
強度があり、吸水、乾燥による収縮、地震の揺れなどの影響を受けにくいため、破損や凍害の心配はありません。
デメリットとしては、傷が付きやすく、錆びる可能性が高い、また、価格がやや高いことや取り扱える業者が限られていることなどが挙げられます。
※金属外壁については、2022年4月14日のブログ『「ガルバリウム鋼板」の特徴とメンテナンス方法』もご覧ください。
<木質系サイディング>
木目のデザインや環境や景観を大切に考える場合に使われます。
丸太から切り出した自然本来の木材の表面を加工し、耐火性などの機能を加え、薄い板状にした外壁材です。複数の板を結合させた集成材(しゅうせいざい)と呼ばれる人工の木材もあります。熱を吸収しにくく、断熱性の高い外壁材です。
加工することによって、燃えやすい、虫に食われやすいことなどをカバーしています。
価格が高い、腐食に弱く劣化しやすい、施工できる業者が少ない、防火性に劣る、カビが生えやすいなどの理由から、メンテナンス周期は短くなります。
<ALC>
軽量気泡コンクリート(Autoclaved Lightweight aerated Concrete)と呼ばれ、珪石・セメント・生石灰・アルミニウム粉末を主原料としています。耐震性、耐火性、断熱性が高い外壁材です。
内部には、鉄筋マットやスチール製の金網が補強材として組み込まれているため、強度があり、耐久性に優れています。有害物質が含まれず、軽量で住宅への負担が少なく、施工しやすいなどの特徴もあります。
高温高圧蒸気養生でつくられており、板状に成形したものは「ALCパネル」と呼ばれます。建材としては、外壁や間仕切壁、屋根、床板などに幅広く使用されています。
シーリングが多く、それらが劣化すると建物に水分が侵入し雨漏りの原因となる、水に弱い、などのデメリットがあります。
その他、経年劣化、紫外線劣化により、褪色(チョーキング)、ひび割れ、剥れ、破損などの症状が現れます。
※ALCについては、2022年7月3日のブログ「50年以上使用可能?!高耐久なALC外壁の特性とメンテナンスについて」もご覧ください。
<モルタル>
セメントと砂(細骨材)と水を混ぜて仕上げる外壁材です
意匠性に優れ、様々な仕上げ方があるので温かみのある味わい深いデザインにすることができます。工法の違いによって個性的なデザインも実現可能です。
遮熱効果が高い、家の形を選ばない、耐火性、耐久性に優れている補修しやすい、などの特徴があります。
デメリットとしては、表面にひびが入りやすく、そこから水が浸入するリスクが高くなる、表面に凸凹をつける仕上げにすると、汚れ、カビ、コケが発生しやすくなる、などが挙げられます。また、職人が手作業で塗るため、施工に時間がかかり、費用も高くなります。
※このような劣化の症状は、防汚性やカビ・コケを予防できる機能を備えた塗料を使うことによってある程度抑えることができます。
※モルタル壁については2022年3月30日のブログ「モルタル壁のメリット・デメリットとメンテナンスの方法について」もご覧ください。
■塗装の必要がない外壁材
タイルやレンガ、樹脂系サイディングは、塗装する必要はありませんが、塗装以外の補修は必要です。
<タイル>
原材料である土や石、砂といった自然素材を高温で焼き、成形した無機質の外壁材です。
・耐久性が非常に高い
無機物は、劣化することなく自然界に存在し続けることができる物質です。そのため、無機物からできたタイルの耐久性は非常に高く、紫外線や雨風による変色や劣化を起こしにくい外壁材です。
タイルの成型には1300度近い高温で焼き固めるという工程があります。
この工程により、非常に固く、耐傷性に優れた建材となります。
・外部からの強い衝撃によってひびが入ることがある
外部からの強い衝撃によってタイル自体にひびが入り、欠けや割れが起こることがあります。損傷がひどいとひびや割れた部分から水分が浸入することで付着力を失い、タイルの剥がれにもつながります。
・自然環境の影響による劣化
自然環境の影響によっても、浮きや剥がれが発生します。昼夜の寒暖差と雨風が主な原因となります。熱や吸水による膨張、気温の低下や吸水した目地の乾燥による収縮によって、付着力が低下し、浮きや剥がれが発生します。
寒冷地の場合、浮きや剥がれが発生した箇所から浸入した水分の凍結と融解によって、さらに膨張と収縮が繰り返され、タイルの剥がれは悪化していきます。
・コーキングは傷みやすい
タイル同士の隙間部分や窓のサッシ部分、ベランダと外壁の取り合い部分に施工されているコーキングは、大変傷みやすい素材といえます。
コーキング、紫外線や雨風、温度差等により短いと新築から3年~7年程度で劣化がはじまります。コーキングの弾性を保持するための可塑剤(かそざい)が染み出て硬化するにより、亀裂などの症状がみられます。
<レンガ>
積みレンガは、古くからヨーロッパを中心に使われてきた建材です。日本では、明治時代以降に増えましたが、関東大震災により、その多くが倒壊し、安全面から使われることが減っていきました。
※現在は工法が進歩により、特に地震に弱いということはありません。
・断熱性・耐久性が高い
積みレンガは、レンガは厚みが約90ミリあるため、断熱性に優れ、耐久性も高い建材です。
メンテナンスをしっかり行っていれば、劣化しにくく、年月が経つことで独特の味わいが出てきます。ヨーロッパ住宅や歴史的建造物など、長い年月を経ても使用されている建物が非常に多い外壁材です。
レンガ張りの外壁のほとんどが、メンテナンスを必要としません。
・目地のモルタルは割れることがある
目地に使用するモルタルは、レンガほど強くなく、昼と夜で気温差が大きい地域などでは、熱によるレンガの膨張によって割れることがあります。反対に、目地が強すぎてレンガが割れることもあります。
・日頃の掃除が大切
レンガは汚れがつきにくい素材ですが、気候や日当たりの状況によって、カビやコケが発生する、目地の間に雑草が生える、壁を覆うようにツタが生えることもあります。日頃の点検や掃除が大切です。
掃除の際に洗剤を使うと、素材によっては変色することがあります。目立たない部分で試し、しばらく変化がないことを確認してから使用してください。
<樹脂系サイディング>
樹脂系サイディングは、プラスチックを主原料にしたサイディングボードです。
樹脂系サイディングは比較的新しい建材で、日本では1996年ごろから販売されています。
・軽量で耐久性が高い
耐久性が高く、雨風や塩害、色褪せに強く、メンテナンス周期は10年~20年と長い建材です。30年保証を付けるメーカーもあります。耐候性・耐冷害性に優れる樹脂系サイディングは、北海道や北東北などの寒冷地で良く採用されています。
・シーリングがない
「オープンジョイント工法」と呼ばれる施工方法で、シーリング材を使いません。シーリングがない分、劣化の可能性は低くなります。
「オープンジョイント工法」は、壁の外側と内側の気圧差を少なくすることによって、雨水が入りにくい構造になっています。
・軽量
軽量(窯業系サイディングの約1/10)のため、重ね張りリフォームによく用いられます。建物への負担が少なく、地震による影響も軽減することができます。
破損・変色などの劣化があった場合は、部分的な張替えが可能です。
・塗装によるメンテナンスは基本的に必要ない
樹脂系サイディングは、本体に顔料が練り込まれていますので、経年による退色や剥がれがなく、基本的に塗り替える必要はありません。
・汚れは水で流すことができる
表面に付着したホコリなどは、雨で洗い流されます。
雨が当たらない箇所に汚れが付いた場合は、水をかけることによって落とすことができます。コケが生えた場合などは、高圧洗浄機を使ってきれいにすることが可能です。
・日本での普及率が低い
日本での普及率が低く、取り扱いメーカーが少ない、施工できる業者が少ない、紫外線に弱いことがあげられます。また、基本的にカナダやアメリカから輸入されたものを使用するため、色やデザインのバリエーションは、限られています。
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