プロタイムズ静岡葵店　株式会社あおば工房の服部です。

 

今回は、外壁の塗膜が劣化する主な原因とその症状についてご紹介いたします。

■塗膜が劣化する主な原因

・雨と風

酸性の雨が塗膜に触れ続けることによって劣化がはじまり、そこに風が当たると、劣化はより進行します。

 

※酸性雨と雨水のｐＨ：二酸化硫黄や窒素酸化物などが大気中で化学変化を起こし、硫酸や硝酸となって降水に溶け込むことにより、雨水が通常よりも強い酸性を示す状態を酸性雨といいます。このような大気汚染物質がない場合でも、降水には大気中の二酸化炭素が溶け込むため、雨水は酸性を示します。

 

・紫外線

紫外線の影響により、塗料に含まれる顔料が分離し、塗膜の劣化が起こります。

紫外線が当たりやすい場所とそうでない場所では、劣化の状態が大きく異なります。

 

・振動・地震

建物が動くことによってひび割れが発生することもあります。塗膜がひび割れた箇所から雨水が侵入すると、さらに劣化が進みます。

 

・不適切な塗料による施工・不適切な施工方法

前回の塗り替えの際に、外壁材の種類や劣化状況、気候条件などを考慮した上での「適切な塗料の選定」「規定の希釈率」「適切な塗装工程による施工」が行われていない場合、早い段階で塗膜の劣化がはじまります。

 

・排気ガス、大気汚染による汚れ

ゴミやホコリが外壁に付着すると、塗膜を傷めます。

 

・黒ずみ

換気フードまわりなどに付着する、ススのような黒い汚れは、放置すると塗膜を劣化させます。

 

■劣化の主な症状

・チョーキング（白亜化）

紫外線や熱、雨水、風等の影響により、塗料に含まれる樹脂が劣化し、顔料が粉状になって表面に出てくる現象です。外壁に手を触れた時に白い粉の様な物が手に付着します。塗膜の防水機能が失われている状態といえます。

 

放置すると、外壁材自体の劣化（ひび割れなど）につながります。

 

・はがれ

塗膜の付着力が低下するとはがれが起こります。塗膜が剥がれ素地が露出することによって、外壁材が水分を吸収し、建物自体の劣化につながります。

 

・膨れ

膨れが発生する主な原因は、以下の4つが考えられます。

①雨水の侵入

「経年劣化により、塗膜の防水機能が弱くなる」「外壁材にひび割れが発生する」などの状況におかれた場合、外壁材と塗膜の間に雨水が入り込み、膨れが発生することがあります。

放置すると、建材が腐る、、腐った建材にシロアリが集まる、雨漏りを引き起こす、などの可能性があります。

 

②下塗り材の施工不良

下塗りが適切に行われていない場合に、泡のような膨れがみられことがあります。下塗りに細かい穴が生じ、その小さな穴の空気や湿気が上塗りの塗膜を押し上げて、膨れが発生している状態です。

細かい膨れは割れて、塗装の劣化を促進する可能性があります。

 

③蓄熱水蒸気膨れ

日光などの熱によって（外壁塗装の際に）内側に溜まっていた水分が気化され、塗膜を押し上げ、膨れることがあります。

塗装後しばらくしてから膨れが発生するケースが多く見られます。

下地に弾性塗料を使用した時に起きやすい膨れです。

また、古い塗膜の剥がしが不十分な場合などに発生しやすい症状です。

 

④カビ

カビの生えた状態の外壁の上から新しい塗料を塗り重ねると、塗膜の膨れ、剥れの原因になります。

 

※カビや苔は水分を停滞させます。塗膜の防水機能が失われた外壁の表面は、水分が停滞しやすくなるため、さらにカビやコケが繁殖しやすくなります。

酸性のカビや苔が、アルカリ性である外壁に付着すると中性化現象が起こり、外壁材自体がもろく崩れやすくなります。

※カビやコケが生えやすい部分には、カビやコケに強い外壁塗装を選ぶことをおすすめします。

※低汚染性の塗料を採用すると、外壁の劣化を防ぐ事が出来ます。

※低汚染塗料の仕組みや苔が発生したときのメンテナンス方法については、下記のブログ記事も合わせてご覧ください。

・2022年02月27日“外壁に発生する苔と日頃のメンテナンス方法”

・2022年02月17日“「長期にわたって美観を保つ」ことに期待が持てる「低汚染塗料」のメリット”

・2022年01月30日 “「低汚染塗料」で塗っても発生する　雨筋汚染”

 

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