塗装面積・建物の形状

塗装費用は面積だけでなく、建物の形状や構造に大きく左右されます。

たとえば、凹凸のある外観や窓の多い住宅では、養生や細かい塗装作業に手間がかかり、作業工程が複雑です。一方で、シンプルな箱型の住宅であれば、塗り面が整っていて作業効率が上がり、費用を抑えられます。

こうした違いは、同じ延床面積であっても最終的な見積もり金額に反映されるので、しっかりと外観の特徴を把握しておきましょう。

足場の必要量と設置コスト

外壁塗装では、作業の安全性と効率性を確保する目的で足場の設置が欠かせません。この足場の費用は、建物の高さや形状によって変動します。たとえば、2階建てと3階建てでは足場の設置規模が異なり、当然その分のコストに差が出ます。

また、狭小地や隣家との距離が近く、足場の組み立てに特別な工夫をしなければならない現場は、追加費用が発生するかもしれません。

外壁材の種類

外壁に使用されている素材によって、必要な工程や材料が変わり、費用に影響します。

窯業系サイディングなら、ボードの継ぎ目にあるシーリング（コーキング）材を打ち直す必要があり、その分の費用が加算されます。一方、モルタル壁のような、シーリングが使われていない外壁であれば、打ち直しの工程が不要で、その分のコストが抑えられます。

相場より高すぎる？安すぎる？ 適正価格の見極め方

外壁塗装の見積もりを見て、予想以上の金額に驚いた経験や、反対にあまりに安すぎて本当に大丈夫なのかと不安を感じた人は少なくありません。

ここでは、相場と異なる金額が提示されたときに注意すべきポイントと、適正価格かどうかを判断する基準をご紹介します。

「安すぎる」場合のリスク

極端に安い見積もりには注意が必要です。

よくある例では、必要な工程を省略する手抜き工事、塗料を規定以上に薄めて使う希釈、工事したように見せかける水増し施工があります。こうした施工では塗装後すぐに不具合が発生し、結果として再工事が必要になってしまう恐れがあります。

適正価格より安すぎると感じたら、なぜその金額なのかを冷静に見極めましょう。

「高すぎる」場合の確認点

明らかに高額な場合は、見積もりの内訳を丁寧に見直し、適正な内容かどうかを判断してください。

たとえば、必要以上に高耐久な塗料が提案されていたり、不要な補修作業が見積もりに入っていたりすることがあります。

納得できる理由が説明されないときは、他の会社からも見積もりを取り相見積もりするべきです。

適正価格と判断する基準

見積もりの金額が適正かどうかを判断するには、工事内容が明確に記載されているかが重要です。

高圧洗浄から仕上げ塗装までの作業工程が丁寧に記されているか、現地調査の結果を写真付き診断書で提示してくれるか、そして工事後の保証制度が整っているか、この3つがそろっていれば、信頼できる見積もりと言えるでしょう。